朝からハプニング

待ちにまったデジカメを手にして浮かれた私は、
朝っぱらから顔も洗わず部屋中をカシャ!カシャ!
「そうや!玄関も撮っておこう。」と、
髪ぼさぼさ、すっぴんにメガネ、ロングニットに黒スパッツ、スリッパ
といういでたちで、アパートの廊下にでた。
そしてバタン
玄関のドアがしまった瞬間に
「あ・・・」
頭の中が真っ白になった。




このアパートはオートロックなんだった・・・




土曜日の朝9時過ぎ、寝起き姿にカメラをもち部屋から閉め出された私。
「へへ・・・冗談やろ〜。勘弁してよー」
と必死でドアを押してみても開くはずはない。
やってしまった・・・ T_T


呆然としつつ、とりあえずアパートの1F玄関へ。
掲示板にいろいろと貼ってあるが、まずハンガリー語読めない。
読めたところで電話がないから、連絡とれない。
・・・・・
「ふぅー」大きく深呼吸
どうしよう。
どうしようどうしよう。
どうしようどうしようどうしようどうしよう。
ホテルならフロントにいけばいいけど、アパートならどこにいったらいいのだろう?
この建物には管理人さんいないし・・・


もういちど自分の部屋の前にもどる。
すると・・・小さ〜い音だけれどテレビらしき音が聞こえた。
となりだ!!となりの家だ!!!


昨日あいさつしといてよかったぁ〜!と思いながら
緊張しながら呼び鈴を押した。ジリリリ〜
部屋の中が一瞬静まり、ロシア語(らしき言葉)で少しやりとりがあり
ガチャ! ロシア人のお父さんとお母さんが出てきた。
・・・・・・・
不思議そうな顔をしている2人に、大急ぎでまくしたてる。
「こんにちは!私は隣に住む日本人です。
 この建物の管理人さんの連絡先をご存知ですか。
 というのも、私はカギを部屋の中に忘れてドアをしめてしまったため、
 今部屋に入れなくて困っていまして・・・」


すると、
パパ 「隣に住んでいるのは男性のはずなんだが・・・」
私  「あっ、あっ、そ、それは私の大家さんで、あ、いや、
    彼は私の大学の学科長でもあるんですが
    さらに部屋も貸してくれていまして、あの、その・・・」
パパ ママ 「??」


しどろもどろになっていると
「おーい」と息子を呼ぶお父さん。
昨日エスカレーターで会った学生さんが出てきてくれた。


もういちど落ち着いて状況を説明すると
彼が建物の管理者(たぶん)に電話してくれた。
首を振る。
このアパートは部屋によって持ち主が違うので、
建物全てのカギを所有している管理人はいないらしい。
私の大家さんの連絡先は私の部屋の中にある携帯電話の中・・・
じゃあ、しょうがないよね、と鍵屋さんを呼んでくれた。
ひとまずホッ。


鍵屋さんが来るまでしばらくかかるというので、
「うちの家で待ちなさい」と家族3人で温かく家の中に迎え入れてくれた。
ありがとうございます〜!!感激!


初めてのお隣さんの家・・・私の家とは作りが全然違うので驚いた。


お母さんが
お茶飲む?    (は、はい)
サラダ食べる?  (え、いいんですか・・・)
パンもどう?   (あ、ありがとうございます。)
ちゃっかり朝ごはんをごちそうになり、ロシア語のテレビを見ながら
大学生の息子さんと英語で話しながら鍵屋さんを待つことに。


モスクワ出身の彼らは、
14年前にハンガリーブダペストに移り住んできたらしい。
彼はブダペスト市内の大学に通う経済学部の1年生。英語ペラペラ・・・
どんなスポーツがすき?どんな音楽を聴く?と
こちらは中学生レベルの英語でやっとこさコミュニケーションをとる。
(あー、英語勉強しなくちゃな、と切実に感じた。)


1時間後、無事にカギが開き部屋の中に入ることが出来た。
代金 なんと6000フォリント
高い勉強代でした。トホホ・・・
でも、お隣さんとの触れ合い&朝ごはん代はプライスレスでしたよ!!
ケセネム セーペン!!(本当にありがとうございました!!)