→[高野シリーズ]7を更新しました。id:yori_nonsan:20050522


スペイン人は「恋愛の自然消滅」を救えるか!? ・・・つづき


スペイン語の勉強はパロマ先生の自宅で行われた。
毎週土曜日の午後3時から。
「気分は地中海」なパロマの家で
ハーブティを飲みながらなごやかに授業を行った後
高円寺の駅まで2人で肩を並べて歩く。


土曜日の午後5時 普通のカップルならば
まだまだデートに出かける時間帯だ。
それなのに、彼女は「じゃあね」と家に帰ろうとする。
何度か映画や食事に誘おうとしても、
「今日はちょっと・・・」とノッてこない。
・・・
ついに二人はただ、スペイン語だけでつながっている
関係になってしまった。
しかし、高野さんはまだあきらめてはいなかった。
ナナがスペイン語を学んでいる間は、
何かしら挽回のチャンスがあると思っていたからだ。


パロマ先生はいい具合に、
「素敵な国際人」としてナナの視野を広げてくれた。
国際人洗脳師である高野さんは、
その横で「よし よし」とうなずいているのだった。


しかしいつまでたっても縮まらない2人の距離・・・
あせった高野さんはナナに大きな誘いをかける。
「一緒にアマゾンに行かないか。」



三ヶ月か四ヶ月、一緒に辺境を旅すれば、万事オーケーだと思った。
日本の常識など絶対に通用しないはずだから、
私が口を酸っぱくして言ってきたことを
身をもって理解してくれるだろう。
困難を乗り越える過程で、
二人の絆も深まるにちがいない・・・。



ナナは「少し考えさせて」と言った。
そして・・・






ナナは翌週のレッスンを休んだ。
その次の週もレッスンに来なかった。







終わった・・・ 
高野さんは思った。
『いや、恋は自然消滅したのではない。私が自ら絶滅させたのだ。』



自分がよいと思っていることを
他人に無理やり押し付けていたのはパロマではなく、結局、
最後の最後まで私のほうだった。
「自分とはちがう他人の価値観を理解することが国際人だ」と
私はナナにさんざんえらそうに語ってきた。
つまり、私自身が国際人だという大前提があったのだが、
それがまちがっていた。


ではなんだったかというと、ただのアホであった。
いや、ただのアホなんかではない。
世界のどこへ行っても立派に通用する国際的なアホだった。



・・・
こうして高野さんの恋は終わりをつげたのだった。
                                   〜完〜


最後に、コンゴから帰ってきたとき
急に冷たくなったナナを見て、高野さんが 
ヤバイ!と思ったときの
この言葉が本当に笑えたのでご紹介しておきます!^^



私は焦った。


そして、遅まきながら彼女が私に求めているのが
”単なる変わり者”ではなく、
”ちょっと変わっているけどおしゃれ”というものだと気づいた。



くくく・・・ 的を得てるなぁ〜。^ー^
私もわりと「変わり者」好きなんですけど! ふふふ・・・


以上で[高野シリーズ]を終わります。
私がチョロチョロ紹介するより、
本物を読んだ方が100倍おもしろいです!
ぜひぜひ手にとって読んでみてください〜。
私のオススメ → 異国トーキョー漂流記