オーストリア ウィーン

はじめてのウィーン!
しかもショプロン(ハンガリー北西に位置する町)から車で入る。
ドキドキ。車で国境越え。


国境は高速道路の料金所のようになっていた。
しかし、ハンガリー出国はチェックなし。(・・・人さえいない。)
オーストリアの入国は一応オフィサーにパスポートを見せるのだけれど
本当に「ちらっ」と見るだけ。
ハンガリーの人はハンガリーの住民登録証のようなカードでもいい様子。)


ヨーロッパ人の感覚では隣の国に入るって
それほどスペシャルではないのかもしれないけど
私の日本人感覚としては「違う国に入る」って、かなりのイベントなわけですよ。
・・・思わず「す、すたんぷ プリーズ!」と叫びそうになりました。
結局、運転席のペーテルさんが見かねてオフィサーにお願いしてくれて一件落着。
めでたく(?)オーストリアのスタンプが私のパスポートに残りました。
車で入国したから、車のマークが入っているの!かわいい >_<//


町について 「うーん」 とうなる。
ウィーンの町綺麗だわ。ハンガリーとはちと違うわ。
なんか洗練されている感じ。
まず日本食材の家に行き、次にウィーンに住むドーラさんも交えてカフェへ。
今日は彼女の住む学生寮に泊めてもらうことになっている。


荷物を置いて、私は一人24時間有効の交通チケットを購入して
トラムで町をぐるりと一周することにした。
オペラ座をみたりCDを買ったりした。
CDはモーツァルト250周年で盛り上がっていたので・・・
BEST MOZART100という6枚組のものを購入。
(・・・でもイマイチだった。2・3回聴いたけどあまり魅かれなかった。)


夜は寮のみんなと出かけた。
ハンガリー人とオーストリア人とグアテマラ人と日本人で
アメリカンなレストランへ。
共通語は英語になるわけですが、私以外はオーストリアに住んでいるから
ドイツ語のほうが楽なようでした。プー かっこいい ちぇっちぇっ
全身全霊、どんなに魂を集中させてもドイツ語で自己紹介しかできない私。
おかしいなぁ。大学で4年間、勉強したはずやねんけどなぁ。


「よりこは何歳?」  と聞かれて
「(モグモグ・・・)28歳」  と答えると
みんな一瞬ハッ!となったような気がした。被害妄想・・・?
みんなはまだ大学生で、もしかしたら私のことを
同い年ぐらいに思っていたのかも。
それから少し、話し方が丁寧になったような気がして悲しくなった。


「・・・学生ですか?」
「いえ、日本語教えに仕事でこっちに来てます。」
「へぇ 先生なんですか。」
・・・・・静かになった。
それまで、特に内容のない話で盛り上がっていたのが
ハンガリーの生活はどうですか。」
「仕事は忙しいですか。」
と、私に気を遣っていろいろと質問をしてくれているような気がした。
丁寧になった。でも確実にグッと距離ができてしまった気がした。


はっきり言って歳を感じたなぁ。
歳をとったことにショックを受けたのではなく、
歳をとったなと感じていること自体にショック。
あと5つ若かったらぐいぐい仲良くなるのに、とか思った時点でアウト。
宿にもどってから「夜、部屋で一緒に飲まない?」と(控えめに)誘われたけど
「ありがとう」と笑顔でお断りしてドーラさんのベットで寝ることに。
私が泊めてもらうんだから!とソファで寝ることを希望したけれど
「いえいえ、よりこさんはゲストですから私のベッドで寝てください。」と。
本人はソファに寝袋なんですよ?
ふぅ・・・


朝まで飲んだっていい。ソファでごろ寝だっていい。
でも、「あ、この人大人なんだ・・・」って感じで気を使われたら
空気のよめない私が場違いなところについ紛れ込んでしまったのでは
と不安になってしまう。
こんなところでむきになっても仕方がないので、
「ありがとう」といってベッドに横になった。


あーあ、こんなときHARUさんだったらどうなのかな。と
ふと韓国での元同僚HARUさんのことを思い出した。
きっと年齢や立場のことなんて気にせずに、
気の合いそうな人とならドンドン仲良くできるんだろうな。


年齢の5歳や10歳・・・学生だろうとなかろうと・・・
こんな些細なことで躊躇した自分が情けなくなった。
みんなのいる部屋にもどりたいような気持ちもある。
でも、お酒を飲みながらドイツ語で
「これからのヨーロッパについて」議論をしている大学生の輪の中に
はいる気力がもうない。


ヨーロッパには30代、40代で学生している人も少なくないし
私の年齢を聞いてから話題が変わったり、丁寧に扱われたと思ったのは
ほんとうにただの偶然なのかも。勝手に自分で気にしすぎただけだ・・・
などなど、自分を納得させる言い訳を考えようと努力してみたけど
だんだんどうでもよくなってきて・・・
結局モヤモヤしたまま、ドーラさんの居心地のいいベッドの中で
眠りについた。はーあ