ラストMT

行ってきました。MT(メンバーシップトレーニング)
日本文科の1年〜4年の合同合宿。
今回は 韓国文化 にみっちり触れられたMT*1だったと思います。


昨日(23日)の夕方、バス3台で大学を出発。
まずはチョンジュにある「HITE」のビール工場見学!
工場見学なんて何年ぶりだろう!!>_<//興奮


駐車場についたら、紫と白の制服(ややミニだった)に身をつつんだ
きれいなお姉さんが出迎えてくれた。
男子学生のテンションUP!^^
最初に映写室でプロフィール映像を15分ほど見た後、工場を見学。


工場といっても、「見せる」ことを前提に作られていた。
専用の通路があり、ガラス張りで工場の様子が見学できるほか
ビールができるまでの過程を説明したパネルや実物の機械、
昔のポスターから、世界のビールの種類まで展示してあり
ちょっとしたビール博物館といった感じ。


愛・地球万博のひとつの館に入った気分でした。^^


ただ、ものすごいことが。
工場見学してるんだけど、機械が全部止まっている!
これには 口 あんぐり・・・


「18時から機械が起動することになっているんですが・・・」と関係者。
予定より30分ハヤク到着しすぎたため、休み時間に来てしまったようだ。
でも、○ニャン大学の学生達は、そんなことは特にかまわない様子で
サクサクと見学を済ませて、最後の部屋になだれ込んだ。
そう!試飲室
「もともと目的はコレでした!」といわんばかりの笑顔で
試飲コーナーに並んでいる。はぁ そうだったのね。^^


「試飲」だからと思っていたら、大間違い!
生ビールをジョッキで!ドン!!
全員にナマチューが配られた。
席に着くとご丁寧におつまみまで置いてある。
おかわり自由ときたもんだから、ウヒョヒョ!!
みんなみるみる顔が赤くなっていった。


危険 危険・・・ 
ほろよい気分でバスに乗り込み、
きれいなお姉さんに手を振って工場を後に。
さて、目指すはケリョン山。ここから1時間半ほど北にいった・・・
と、その道中、前を走っていたバスが急に休憩所へ立ち寄った。
続いて2台もスベリコミ!キキィーーー!


「何事か?」と思ったら、「あ〜」「はぁ〜」へんなため息をつきながら
ダダダダッと数名がバスを降りた。
外を見ると各バスから飛び出した学生達が、トイレを目指して
本気ダッシュしていた!
・・・・・
おもしろかった。
ビール飲みすぎるからだよ〜。もぅー


すっかり日が暮れた頃、バスは無事にMTの場所(ケリョン山)に到着。
まずは部屋が割り当てられ、晩ごはん(お弁当)をいただく。


その後・・・ついに私は、韓国特有の 
とある儀式 を見て驚くことになる。
・・・・・
・・・・・・・
専攻主任のキム先生から電話があり、学会長のジくんを探しに出た。
副学会長のイさんがいたので、「ジくん知らない?」と聞くと
「今、고사(コサ)の準備で裏にいます。」と言った。
はいはい、裏ね。


外はすっかり暗くなっていて、風が肌寒かった。
建物の裏に出るには、隣の建物との間でさらに真っ暗になっている
通路を通らなければならなかった。
その途中、砂を踏んで「ジャリッ」と音がなり、小心者の私は
怖くなって駆け足で裏に出た。ふぅぅ・・・


確かにジくんとその他数人の学生達が何か準備をしている。
ホッとして話しかけようと近づいたその時!
私はその異様な風景に「ギャッ!」と声をあげそうになった。


なんとそこには
ろうそくの火に照らされた「豚の顔」が浮かんでいたのだ。
暗がりのなかに、テーブルが一つ用意されていた。
その中央にドカンと豚の「顔」が置かれていた。
そして、両脇に火のついたろうそくがテラテラと光っていた。


「お祈り」だ。「儀式」だ。
それは一瞬でわかった。
テーブルの前には、お祈りができるようにシートが置かれていたし
お供え物らしき果物も飾られてあった。
見てはいけないものを見てしまった気がして
心臓がバクバクいっているのが、自分でもわかった。


しかし、このまま黙って帰るのも恐ろしくなり
「ジくん・・・ジくん!」と声をかけてみた。
すると「あ、せんせい〜」とこちらに歩いてくるジくん。
普段はやさしそう〜な、トトロ(小)みたいな顔をしたジくんなのだが
その時は、ろうそくの火にしたから照らされて
えらく恐ろしく見えた。


・・・・・
キム先生からの用事を伝えて部屋にもどると
同僚のハチ先生に
「すごいもの見ちゃったよ!!」と報告。
その後、O先生と3人で儀式をこっそり見にいった。


고사(コサ)と呼ばれるこの儀式は
それほど怪しいものではないようだ。
MTの時には、よく行われる儀式で、
学生全員で学科の安全などを祈祷する。
「無事にMTが終わり、みんなが仲良くなれますように」とか
「みなが健康に大学生活を楽しめますように」といったことを
一人ずつみんなが見守る前でお祈りをするのである。
そのとき、
豚の口や耳にお金(紙幣)を差し込んでいく。


お金が色んなところにねじ込まれた「豚」の顔と
それに向き合う何十人もの学生達。
遠くから見ると、やはり不思議な光景だった。
・・・・・
祈りはなんだか違う方向にエスカレートしてきて
「最近 気になる人ができましたー!この恋が成就しますように〜」などと
個人的な希望を述べる人も。^^
中には、学科内カップルとかいるんですが
彼女がいる前で、彼氏がお祈りに出て
「○○が好きです!結婚したいと思っています!!」なんていうもんだから
ぎゃー!! きゃはははとなんだか大騒ぎに。
留学生のあゆみちゃんがお祈りに立たされているのを見て
「先生もどうぞ〜」と言われたらどうしよう・・・と思って
そそくさと逃げてきました。


고사(コサ)が終わると
次は「先生達との時間」がやってきた。
狭い食堂に学生と一緒にギチギチに向かいあいながら座った。
キム先生と日本人教師3人から一言ずつの挨拶。


私は
「私が日本語教師になりたいと思ったのは高2、今から約10年前。
 韓国で働きたいと思ったのは大学4年、今から約5年前。
 今、韓国で日本語を教えていて本当に幸せです。」
・・・だからみんなも夢をあきらめずに!
というようなことを話そうと思っていたのだけれど、
急にこっぱずかしくなり・・・


「これから5年後、10年後、みんなが大学を卒業しても
 みなさんが私の学生だったことに変わりはありません。
 これから、みなさんから教えてもらうことももちろんたくさんあるでしょうが
 おじさん・おばさん、おじいさん・おばあさんになっても
 みんなは私の学生だから!決してそれを忘れないでください!」
クワッ
感極まってのどがなりました。


えーと、さらにこっぱずかしい挨拶をしてしまいました。
「え?私達今日でお別れなの?」という妙な雰囲気に。
なんか変な汗でた。 ま・・・いっか。
(本当のお別れの時には
 「これからは友達でヨロシクッ!」って言いたいなぁ〜。)


さてさて、9時過ぎに私達はキム先生と外にお酒を飲みに行くことに。
というのも、これから学生達は「방돌이(パンドリ)」という
これまた韓国特有の儀式を行うからである。
その儀式を私達はみることができない。
学生 vs 学生 の恐ろしいシゴキなのである。


一言でいうと・・・って、一言ではいえないなぁ。
「先輩が後輩に大学生活とはどんなものかを教える会」
というと聞こえはいいが、実際は・・・
「先輩が後輩をシメテ、上下関係を分からせる会」
といった方が、近いんじゃないかと思う。


まず、学生達が学年ごとにわかれて部屋に入る。
・99学年(99年に入学した学生)の部屋*2
・00学年の部屋
・01学年の部屋
・02学年の部屋
・03学年の部屋
・04学年の部屋
※ 05学年(つまり新入生)には部屋は与えられない。


最初に、新入生は04学年(2年生)の部屋に入る。
そこで「失礼します!」大きな声で挨拶をし
「05学年 イヒョンホです!よろしくおねがいします!」と自己紹介。
声が小さかったり、態度が悪かったりすると やり直し が命じられる。
とにかく先輩がOKを出すまで自己紹介が続く。


それが終われば、2年生部屋の先輩達全員の名前を聞かれる。
先輩の名前を覚えていなければ、罰が待っている。
軍隊式(?)に腕立てやスクワットなどをさせられるようだ。
先輩全員の名前を覚えて、言えるようになるまで
その部屋をでることができない。


なんとおそろしい儀式!


新入生は、それを延々と最後99学年の先輩の部屋を出るまで
続けなければならない。
眠くても寝られない。逃げたくても逃げられない。
本当に地獄の「방돌이(パンドリ)」である。


新入生だけではない。
2年生は 3年&4年の部屋に行くし
3年生は 4年生にしごかれる。
一番上の99学年だけが、だれにもヤラれることなく
ひたすら後輩達を待ち続けるのである。


私達が宿に戻ってきたのは12時ごろ。
そろそろ終わって飲み始めているかな?と思ったら
まだまだやっていた! ひー
廊下には順番待ちで、涙目の学生達が数人並んでいた。


先生部屋に入っていても、学生達の大声が響いてくる。
「部屋にはいってもよろしいでしょうか!」
「はい! はい! ありがとうございます!!」
「もう一回! おまえ、前にでろっ!」
「1 2 3 4 ・・・」
時には、ドンドンドン!と異様な音。
なに?!
・・・・・
その儀式は、夜中の4時半まで続いた。
私達もうるさくてあまり眠れなかった。
それからようやく飲み会がはじまったようだったが
ほんとうに今年はすざましかった。 (゜Д゜)クワッ
あまりのキツサに吐いてしまった学生もいたようだ。


ひいーん いやだよう。そんな儀式。
ちょっとヒイてしまいました。


次の日、目覚めて朝ごはんを食べに食堂へ。
すると食堂がなんだかドヨ〜ンとしている。
みんな疲れすぎて言葉が出てこない様子。


しかし、炎天下のなか今度は「ゲーム大会」なのである。
お姫様だっこゲームだの、唐辛子早食いゲームだの
体力勝負系が多く、誰か倒れやしないかと
ハラハラしながら見ていた。


しっかし・・・ 若さだね。 
ゲームが盛り上がってくると、みんな走ったり飛んだり
「一日ぐらい寝なくたって大丈夫ですよ。」ニコ ニコッ! 
とさわやかに笑っていました。
すごいよ・・・大学生。


このあたりで、次の先生と交代の時間。
少しさびしく●ニャン大学最後のMTから去っていきました。
いやー、いろいろと勉強になりました。
韓国で体験したMTのこと 決して忘れません!
サンキュー MT コマウォヨ MT

*1:韓国の大学では、だいたいこのMTが行われるようです。大学時代の思い出深い合宿!今回は「コサ」と「パンドゥリ」という2つの体験をしました!

*2:韓国では成年男子に対して軍隊訓練の義務があり、2年間の軍隊生活を終えて復学する学生がいるため、このように99学年がまだ大学に在学しているのである。