語学教師は役者だ

今日の授業には、かなり小道具を仕掛けていった。
語学の授業って、特に差し迫った必要性がなく、そんなに情熱のない人にとっては本当にヒマヒマな授業なのだと思う。
そこをいかに興味を持たせるか、印象に残すか。そこは教師の腕のみせどころだ!と教師経験の浅い私は思う。(単純な頭で考える)
たとえば今日は「〜てしまいました」の文法項目があった。

  • 完了の「〜てしまう」①

  ・・・みんなの目の前に、大きなペットボトルを掲げる。4分の1くらい水が入っています。
    「いただきます」といって飲む。ゴクゴク (一気には飲めない。)・・・「はあ。飲みました。」 
     まだ水が入っているペットボトルを再び掲げて「いただきます」ゴクゴク 
     最後の一滴まで飲み干して、ペットボトルをひっくり返す。

はい!そこでさわやかな一言 「全部飲んでしまいました!」

     パチパチパチパチ(なぜか拍手がおこる)
     私「飲んでしまいました」 学生「飲んでしまいました」 
  ・・・訳語をひとつ与えたら終わりなのにめんどくさい。と思う先生もいると思うけど、できるかぎり
     「目の前で起こる出来事」ーーー「それに合う言葉」というペアで提示したほうが、印象に残るんじゃないかと思う。
もちろん、そのあとに細かい文法の説明やらも必要だけど、最初にこういうことをしておくと
「ああ、そういえば先生、水飲んで何か言ってたなぁ。」と、思い出すきっかけになってくれると思うのです。 


今日はその後に「〜てしまいました。」のもう一つの意味導入もしました。

  • 遺憾の「〜てしまう」②

  ・・・水を飲んで、完了の「〜てしまう」を練習したあと。クッキーの箱をおもむろに取り出す。
     (それだけでも学生はちょっと前のめりになったりして。^^)
     「みんなで食べましょう!」と笑顔で誘いかけ、まず自分が一つパクッと食べる。
      前にいた学生が、同じく笑顔で手を伸ばしたその瞬間に!箱をぐっと開ける。そして

「あーーー!すみません。」

     箱の中はからっぽ。最後のひとつは私の食道を通過中という仕掛けです。

「全部、食べてしまいました・・・。」


     かなり熱い演技を披露しました。

すぐに気がつき「もうー。先生ったら。」と笑っている学生もいれば、本当に残念そうにクッキーの箱を眺める学生もいたりして。

今日は、これらのネタ(?)が予想以上に受けて、やったー、と一人研究室で小躍りしました。


うーん。私は日記に何を書いているんだろう。
・・・いつもこんなことをしているわけではないです。
それに、学生のタイプによってできないことが多いです。冷めきった学生だと
「フッ。先生なに頑張ってんの。」ってなるし。

うん。何が書きたかったかというと
日々、学生たちの顔を眺め、互いに探り探られながら(^^)
笑ったり悩んだりして毎日過ごしている、ということです。

ずっと、「あまり自分らしい授業できてないなぁ・・・」とか悩んでいたのですが
今日はちょっと明かりが見えたというか。(まぁ、まぐれとか気のせいかもしれないですが。)     

これから、空回りしないようにがんばりたいと思います。 おしっ